せめてそのカタカナ言葉が「デタラメな英語」ってことくらいは自覚しておいてほしい


先日、こんなことがあった。

 

友人とある安価なステーキハウスに入り、店員に注文していたときのこと。

 

メインのステーキの種類や焼き加減、そしてサラダに続いて、僕はこう注文した。

 

「それと……マッシュドポテトを」

 

すると一緒にいた友人がちょっと苦笑しながらこう言ってきた。

「マッシュドポテトってwwwそれを言うなら“マッシュポテト”だろ。オマエ、ハッシュドポテトとゴッチャになってるwww」

 

そう指摘してきた友人の様子は、あたかも「店員の手前、一緒にいるオレまでちょっと恥ずかしいわ」という感じだった。

 

まあ、これだけの話である。

 

で、何が言いたいのかというと、“マッシュ”は“すりつぶす”という意味の英語。そして、英語で「調理法+食材」という名称はよくある。

 

ベイクドケーキ、ボイルドエッグ、ハッシュドビーフなどなど。

これらを見れば、食材名の前に付く調理法は、ベイク(焼く)に対して“ベイクド”、ボイル(茹でる)に対して“ボイルド”と、「過去分詞形」になっているのが分かるだろう。

 

食材というのは“物体”であるから「~される」という受け身にしかなり得ず、さらに、料理というものは、調理済み、つまり「~されてしまった」状態のもの。だから英語における「調理法+食材」の名称は、全て前に付く調理法を表す動詞が「~され(終わっ)た」という意味を表す過去分詞形となる仕組みなのだ。

 

つまり、ハッシュドポテトやハッシュドビーフと同様、“マッシュドポテト”という言い方は、英文法的にはこの方が正解なのである。

 

ただ、日本のカタカナ言葉としては、フライパンで焼いたケーキや茹で卵はベイクドケーキやボイルドエッグと言うのに、何故かマッシュドポテトはマッシュポテトという言い方が一般的となってしまっている。

 

このカタカナ言葉を「言葉として正確である」と思い込んでしまっているがために、友人の頭の中では「ハッシュドポテトは“ハッシュド”と言うけどマッシュポテトは“マッシュ”。それぐらい常識」ということだったのだろう。

 

別に僕は、取り立てて「カタカナ言葉など無くして、外来語は全てその国の文法や発音に従うべき」などと主張するつもりはない。“マッシュポテト”という言い方が馴染んでいる人はそう言えばいい。

 

ただ、カタカナ言葉を使う時、「この言葉って実は、元の国の文法的にはちょっとオカシイんだけどね」という認識ぐらいは持っておいてほしいと思うのだ。